わたしたちは人々に声かけ、直接的な交流を図るなかで、社会調査活動(フィールドワーク)を実施しています。繁華街や祭礼行事・SNSなど、フィールドは多岐にわたります。繫華街での声かけ・交流活動は、社会調査活動から生まれました。学校や施設、病院など援助機関の中ではなく、生活の場で一緒に活動する点に大きな特徴があります。
フィールドワークとアウトリーチ
アウトリーチ(OutReach)は直訳すると、「手を伸ばす」という意味があります。国内では必要な支援や情報を届けるスキルと認識されていますが、全国こども福祉センターはフィールドワークで得た知見に加え、アウトリーチの受け手となる子ども・若者と実践と振り返りを行いながら、当事者目線で声かけの方法や必要なサービスについて考えます。
見る、感じる、話す
ものの見方、捉え方は千差万別です。研究者・専門職が見落としてきたものや気づけない問題に、メンバーがいち早く気づくこともあります。長期間で活動に参加する子ども・若者も多く、路上で参与観察法を行っています。
アウトリーチで出会う
アウトリーチ(訪問支援)の四類型に分類される直接接触型アウトリーチという手法を採用しています。国内では、全国こども福祉センターが先駆けて実践を行ってきました。家庭を居場所としない子どもへのアプローチができる唯一の方法で、繫華街やSNSなど子ども若者が集う場へのアプローチが可能です。近年では、虐待対応や再犯防止が注目されていますが、わたしたちは非行やひきこもりが深化する前に出会い、人間関係を築いています。
出典:キャッチ「密着 着ぐるみで声かけ」中京テレビ(2015年9月14日放送)
わたしたちは、人間関係が前提と考え、対話や交流を重視した活動を続けています。場所は、路上や繁華街です。フィールドワークを通じて、困窮している子ども・若者と出会うことがあるため、相談も受けています。中高生や大学生、活動メンバーによるピアサポートをはじめ、社会福祉士や医療者、大学教員などがケアを担当しています。
相談内容の一例(子ども若者)
・死にたい
・行き先がない
・お金がなく、住むところがない。
・母親が家事をしない。
・学校を辞めたい。
・対人関係がうまくいかない。
・いじめられている。
・家に帰りたくない。
・大人が信用できない。
・自傷行為が辞められない。
・監禁されている。
(親・保護者)
・言うことを聞かない。
・子どもとどう関わっていいかわからない。
・知り合いの親子が気になる。
・自分の居場所がない。
・ホストや風俗で働いてしまう。
・子どもから暴力を振るわれている。
・子どもに友達ができない。