設立者の思い 

荒井和樹(kazuki Arai)

特定非営利活動法人全国こども福祉センター理事長

特定非営利活動法人こどもサポートネットあいち理事

給付型奨学金(日本財団「夢の奨学金」)ソーシャルワーカー

日本福祉大学・同朋大学で非常勤講師を兼職

https://www.kazukiarai.net/

 

資格・学歴等

社会福祉士(第68255号) 

保育士(愛知県-037610)

日本福祉大学大学院 社会福祉学研究科 修了

  修士(社会福祉学)

社会福祉士実習演習担当教員講習(演習分野)

社会福祉士実習演習担当教員講習(実習分野)

 

 多様なバックグラウンドをもつメンバー同士がフラットな関係性をむすび、他者とかかわりながら、少しずつ自分を知ること(自己覚知)、向き合うことから始めています。

 活動は著名人や一部のカリスマに依拠することなく、一般市民や大学生、路上やサイバー空間で出会ったメンバーが集い、それぞれができることを持ち寄って成り立っています。

 目的はメンバーによって異なりますが、それぞれの想いを聞くことから始めているため、先に用意した支援を押し付けることはしません。

 近い未来、親となる少年少女と、細くても長く、繋がりをつくること。支援ではなく、一緒に考える大人(仲間)を増やすことが目的です。

 

偏る支援と社会的養護の枠組みのなかで

 私は大学卒業後、児童養護施設で指導員として勤務してきました。子どもたちは社会的養護を受けている間、「衣・食・住」が保障され、医療や就学にかかる費用も公費負担となります。また、ほとんどの中高生には個室が与えられます。

 社会的養護の枠組みの中にいると気づくのですが、寄附や国からの支援のほか、企業の社会貢献活動の対象となりやすく、消化しきれない招待行事や物品寄附を見てきて支援の偏りを感じるようになりました。

 

 携帯電話、スマートフォンやインターネットが普及してからは、地域や学校といった枠を超えた「繋がり」が子ども若者で当たり前の時代になりました。これまで自分が良かれと思っていた施設措置型の支援の限界と、路上とサイバー空間で自由に徘徊し、他人と繋がっていく行程を傍観する青少年支援の在り方に、強い不安と危機感を抱きました。

 

行き届かない理由と、支援のミスマッチ

 施設で暮らす子どもたちは、元をたどれば一般家庭の子どもたちです。しかし、子どもたちは支援を拒否したり、何に困っているか自覚していなかったり、支援機関の窓口まで行くことができなかったり、たどり着いても説明できないこともあります。だからといって短時間で子どもたちを表面的に見て判断し、一方的に「支援」を押し付けることは有効でしょうか。

 もし、その一方的な支援が必要でないと感じていたら、子どもたちは拒否することもあるでしょう。つまり、いくら予算を割いても空振りに終わります。たとえば近年、子ども食堂や学習支援、給付型奨学金が必要と言われていますが、すべての子どもに食支援が有効、大学進学すべき、子どもは被害者であると決めつけていませんか。

 

 その事業を否定するわけではありませんが、何が必要かは大人が決めることではなく、子ども本人が決めることであり、家族のかかわりや時間、本人たちの主体性を奪うような支援も見受けられます。

 

すべての子ども若者に合法的機会を

 路上やサイバー空間で出会う子ども若者の多くが「夢」や「希望」が持てていません。社会の構造に目を向けると、それを叶えるための合法的手段も機会も与えられていないことが浮き彫りになってきました。

 つまり、社会の仕組みとして「売春」「詐欺」「窃盗」などの非合法的な手段を選択せざるえない子ども若者も存在するということです。

  

 断片的な情報で加害者、被害者と線引きし、対処療法や一方的な「支援」を届けるだけでは根幹にアプローチできません。根幹にアプローチするには「ひとつの現象」を、あらゆる角度から捉え、その構造を捉えることが前提となります。

 

 踏み込めない場所、見えない場所はアウトリーチによって明らかにしていくこともあります。だからこそ、わたしたちは毎週現場に足を運び、いま社会で何が起きているのかを把握します。

 出向くだけでなく、当事者である子ども若者と直接つながります。一方的なかかわりではなく、相互関係のなかで丁寧に、ニーズの掘り起こしをしていきます。

 

貧困ポルノ・ビジネスに負けないために

 貧困ポルノ¹や貧困ビジネス²、JKビジネス³に代表されるように就労先や居場所がない子ども若者をターゲットにするビジネスは以前から行われ、悔しさのあまり、その代表者と衝突した経験を持ちます。とくに東北震災後は、個人事業主や若手起業家が急増し、大学生までが貧困ビジネスに着手する時代となりました。

 支援者・支援団体でさえビジネスで成功するために弱者を囲い込み、食い物にする構図ができあがり、成功者と餌食になる者の二極化が進んでいることに誰も言及できていない現状があります。

 

 そうした社会構造に対し、否定という態度を示しつつも、現状と現実を、社会、そして子どもたちに伝えていくことは、私の使命だと考えています。

 

 これまで路上やサイバーで出会った仲間(メンバー)と試行錯誤し単に「支援の受け手(対象)」としてではなく、活動をきっかけに社会に参加していく、貢献をベースとした「居場所」活動が2012年に誕生しました。アウトリーチ、支援の連鎖、循環を仕組みとした活動は軌道にのり、その勢いは「子ども若者」を筆頭に多世代を巻き込みつつあります。

 

 当センターの課題は全員がボランティアで出発したこと、活動の担い手も10代~20代前半の若年層です。そのため、情緒面でも経済面でも未熟な部分は否めず法的な壁やボランティア運営による限界、至らない点もございます。今後も居場所を必要としてくれている子ども若者と共に活動していくには皆様のご支援・ご協力が不可欠です。

 何卒宜しくお願い致します。

 

 

1)貧困ポルノ… 貧困にかかわる困難事例・写真・画像を使い、見世物のようにして支援を集める行為のこと。

2)貧困ビジネス… 貧困者を対象としたビジネスモデル

3)JKビジネス… 女子高生を売りにした密着、過激なサービスで成り立つビジネス)

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